生成AI de 臨床疑問

「日頃の臨床疑問をChatGPT等の生成AIに聞いてみた」をコンセプトにした試みです。ハルシネーションや誤植は必ずご自身でご確認ください。

多発性硬化症と精神症状

<目次>

 

 

臨床疑問(プロンプト)

多発性硬化症や視神経脊髄炎における精神症状はありますか?あれば、どのような精神症状がどの程度生じますか?医学論文の出典をつけて教えてください。

 ChatGPTにお尋ねしてみました。

(注)必ずご自身で出典等をご確認ください。ハルシネーションや誤植があっても訂正しておりません。ブログコンセプトは初回記事をご確認ください。

 

****以下、ChatGPTの回答****

はい。**多発性硬化症(MS)視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)**も、運動・感覚・視力障害だけでなく、精神症状は非常に重要な臨床症状です。ただし、両者には頻度や特徴に違いがあります。

結論から言うと、

  • MSでは精神症状は非常に多く、うつ病・不安障害・認知障害が代表的です。

  • NMOSDでも精神症状は少なくありませんが、MSほど脳病変そのものとの関連は強くなく、慢性疼痛や再発への不安など二次的要因の影響も大きいと考えられています。

  • 一方で、NMOSDでも脳病変(特にAQP4陽性例で視床下部・辺縁系病変)では精神症状が初発症状となることがあります。


① 多発性硬化症(MS)の精神症状

MSでは精神症状は「例外」ではなく、「よくみられる症状」です。

AAN(American Academy of Neurology)も精神症状のスクリーニングを推奨しています。(神経学会)


1. うつ病(最も重要)

最も多い精神症状です。

システマティックレビュー(118研究)

有病率

  • 約24%
    (95%CI 17–30%)

一方、

生涯有病率

約50%

とされています。(PMC)

つまり、

MS患者の約2人に1人は人生で一度はうつ病を経験する

ということになります。


特徴

通常のうつ病と似ていますが

  • 易疲労

  • 意欲低下

  • 集中力低下

  • 希死念慮

が強くなりやすいことが知られています。

また、

MRIでは

  • 左前頭葉

  • 側頭葉

  • 海馬

  • 帯状回

の脱髄病変との関連も報告されています。(PubMed)


2. 不安障害

これもうつ病と並んで非常に多いです。

メタ解析では

約22%

でした。(PMC)

含まれるものは

  • 全般性不安障害

  • パニック障害

  • 社会不安

  • 強迫症状

です。

疾患への不安だけでは説明できず、

前頭葉・辺縁系ネットワーク障害も関与すると考えられています。(PubMed)


3. 双極性障害

頻度は

約6%

程度。

一般人口より高頻度です。(PMC)


4. 精神病(幻覚・妄想)

意外ですが存在します。

有病率

約4%

程度。(PMC)

症状

  • 被害妄想

  • 関係妄想

  • 幻聴

  • 幻視

など。

前側頭葉や側脳室周囲病変との関連が報告されています。(PubMed)

また、

ステロイドパルス治療後の

  • 躁状態

  • 精神病

との鑑別も重要です。


5. 感情失禁(Pseudobulbar affect)

MSではかなり特徴的です。

症状

  • 急に笑い出す

  • 急に泣き出す

しかし本人の感情とは一致しません。

橋〜前頭葉ネットワーク障害によります。

AANガイドラインでも評価が推奨されています。(神経学会)


6. 易怒性・人格変化

比較的多く

  • 怒りっぽい

  • 衝動性

  • 感情コントロール困難

がみられます。

前頭葉病変との関連があります。(PubMed)


7. 認知障害

精神症状とは少し異なりますが非常に重要です。

MSでは

40〜70%

程度で認知障害がみられます。

障害されやすいのは

  • 注意

  • 処理速度

  • 遂行機能

  • ワーキングメモリ

です。(PubMed)


② 視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)

従来は

「脳病変が少ない」

ため精神症状は少ないと思われていました。

しかし近年では

かなり多いことが分かっています。


1. うつ病

2023年メタ解析

31研究
4213例

では

うつ病

40%

でした。(PubMed)

MSと同等か、研究によってはやや高い値です。


2. 不安障害

同メタ解析

45%

でした。(PubMed)


3. 睡眠障害

約55%

と非常に多いです。(PubMed)

慢性疼痛や脊髄病変によるしびれ・痙縮、再発への不安などが関与すると考えられています。


4. 精神病

MSほど一般的ではありません。

しかし

AQP4抗体陽性例では

  • 視床下部

  • 辺縁系

  • 視床

病変で

  • 幻覚

  • 妄想

  • 異常行動

が初発となる症例報告があります。

特に

  • 視床下部病変

  • 第三脳室周囲病変

では

精神症状が前景に出ることがあります。


5. 認知障害

以前は稀と思われていましたが

最近では

20〜50%

程度と報告されています。

特に

  • 注意

  • 情報処理速度

  • 記憶

の低下が多いです。


③ MSとNMOSDの精神症状の違い

比較研究では

MSの方が

  • うつ

  • パニック

  • 強迫症状

  • 被害感

  • 攻撃性

  • ストレス脆弱性

が強い傾向が示されています。

一方NMOSDでは

慢性疼痛や身体障害に伴う抑うつ・不安の影響がより大きい可能性があります。(PMC)


④ なぜ精神症状が起こるのか

精神症状は「慢性疾患だから落ち込む」という心理的要因だけでは説明できません。

現在では以下の要因が複合すると考えられています。

MS

  • 前頭葉・側頭葉・帯状回・海馬などの脱髄病変

  • 神経炎症(TNF-α、IL-6など)

  • 神経変性

  • HPA軸異常

  • 疾患受容など心理社会的要因

  • インターフェロンβや副腎皮質ステロイドなど治療薬の影響

NMOSD

  • 視床下部・辺縁系・間脳病変(特にAQP4抗体陽性例)

  • 慢性疼痛

  • 睡眠障害

  • 身体障害

  • 再発への不安

  • ステロイド治療の影響


臨床的に重要な点

精神症状が神経症状に先行することはMSでは稀ですが報告があり、NMOSDでも視床下部や辺縁系病変を伴う例では、うつ状態、異常行動、精神病症状が初発となることがあります。そのため、初発精神病や急性の気分・行動変化に視神経炎、脊髄炎、原因不明の神経症状が伴う場合には、中枢神経の炎症性脱髄疾患を鑑別に含め、頭部MRIやAQP4抗体・MOG抗体の評価を考慮することが重要です。

主要文献

  1. Marrie RA, et al. The incidence and prevalence of psychiatric disorders in multiple sclerosis: A systematic review. Mult Scler. 2015.(MSの精神疾患に関する最大規模のシステマティックレビュー)(PubMed)

  2. Feinstein A, et al. Evidence-based guideline: Assessment and management of psychiatric disorders in individuals with MS. Neurology. 2014.(AANガイドライン)(神経学会)

  3. Paparrigopoulos T, et al. The neuropsychiatry of multiple sclerosis. Int Rev Psychiatry. 2010.(MSの神経精神医学レビュー)(PubMed)

  4. Liu J, et al. The prevalence of depression, anxiety, and sleep disturbances in patients with NMOSD: A systematic review and meta-analysis. Mult Scler Relat Disord. 2023.(NMOSDにおける精神症状の最新メタ解析)(PubMed)

  5. Kimら. Comparison of psychiatric disturbances in patients with multiple sclerosis and neuromyelitis optica. Medicine (Baltimore). 2019.(MSとNMOSDの精神症状の直接比較)(PMC)